TS防具空手・競技規程
第1章 競技
第1節 競技の目的と理念
第1条(目的)
TS防具空手競技は、打撃の武技を通じて心・技・体を高め統合する技能を追求する。
第2条(礼の精神)
他者の尊厳を護り、自己の尊厳を高める「礼の精神」を涵養する。無益なダメージの応酬を避け、双方の技をより善く生かすことを目標とする。
第3条(武道人精神)
前条の目的を実現しようとする意志を「武道人精神(BudoManShip)」と呼び、日本の武道文化を多様な文化・教育と融合させる。
第4条(オリンピズムとの整合)
本競技はオリンピック憲章(2011年制定)の根本精神に準拠し、競技を通じて平和な社会の実現を目的とする。
第2節 名称、他
第5条(名称)
本競技の正式名称は「TS防具空手競技」とする。
第6条(IBMA_KYOKUSHINKAI)
IBMA_KYOKUSHINKAIとは「国際武道人育英会」の略称である。
第7条(競技方式・クラス、他)
競技の階級、各クラス、他、詳細は別紙にて定める。
第3節 選手
第8条(出場制限)
次のいずれかに該当する者の出場を認めない。
競技進行の妨げとなるおそれのある負傷、長髪・爪その他不適切な風体。
急性炎症性・感染性疾患等の罹患。
医師が不適と認定、または医師勧告に従わない者。
第9条(競技姿勢・処分)
全力で行わない、故意反則等の悪質行為をした選手は登録抹消とし、以後の登録を認めない。弁明の機会を付与する。
第10条(登録要件)
各地域のIBMA_KYOKUSHINKAIに選手登録していない者の参加を認めない。
第11条(時間厳守)
競技開始時刻・競技時間に遅れた選手は失格とする。
第12条(無断不参加)
参加手続き後、正当理由なく参加しない選手は、以後IBMA_KYOKUSHINKAI主催競技に参加できない。
第13条(防具着用)
足甲・脛・膝・胴・頭・拳等を保護する防具の着用を義務付ける。種類は別紙による。
第4節 競技時間
第14条(時間区分)
競技は本戦および延長戦(再延長戦を含む)とする。
第15条(試合時間)
本戦は2分。延長は休憩30秒~1分を挟み2分とする。
第16条(本戦)
本戦では3点差以上なければ、延長戦を行う。延長戦以降は1点でも多い方を勝者とする方式を可とする。
第17条(延長回数の変更)
主旨・クラスにより延長回数を変更できる。時間・回数は競技前に選手へ告知する。
第18条(時間変更の例外)
少年・シニア対象大会等は、IBMA_KYOKUSHINKAIの許可により時間等の変更を認める。
第5節 競技場
第19条(形状・寸法)
メインスペースは一辺6~8mの正方形又は直径6~8mの円形とする。
第20条(場外スペース)
場外スペースを設け、幅2m以上とする。メインと場外は図示等により明確化する(下図は一例)。
第21条(マット)
怪我防止に十分な厚み・硬さのマットを用いる。
第22条(スコアボード)
選手・観客に見える位置に2箇所以上設置する。
第6節 計量
第23条(計量実施)
体重別クラス参加者は、当日、審判委員会指定時間内に計量し承認を得る。
第24条(失格事由)
未計量または規定体重超過は失格。
第25条(健康診断)
競技前にドクター診断を受け、健康であることを証明する。
第7節 服装・防具・他
第26条(指定防具)
主催者が許可した面・胴(ボディプロテクター)・すね(シン)・拳(グローブ)等の指定品を使用する。胴はクラスにより未使用可。
第27条(出場不可事由の再掲)
負傷・長髪・爪・不快な風体、感染症等は出場不可。医師不適合・勧告不履行も同様。
第28条(悪質行為)
故意反則等の悪質行為は登録抹消(理事会承認)とし、弁明機会を与える。遅刻は失格。
第29条(登録不許可)
IBMA_KYOKUSHINKAIが正当事由により登録不許可とした者は出場不可。
第30条(登録後の不履行)
参加登録後の一方的反故は、以後の選手登録を認めない。
第8節 コーチ
第31条(人数)
セコンドは1名以内。
第32条(義務・制限)
- 相手への中傷等の非礼な言動をしてはならない。
- 所定位置に着席し、戦術指示以外はしないこと。
- 緊急時を除き競技場へ入った場合、当該選手は失格。
- 競技前に氏名をIBMA_KYOKUSHINKAI審判委員会へ届け出る。
第2章 競技役員
第1節 レフリーとジャッジ
第33条(配置)
レフリー1名、ジャッジ2~5名を配置する。
第34条(役割)
ジャッジは有効打・反則を判定し、レフリーは技・反則・勝敗の宣告を行う。
第35条(宣告の基本)
技が決まったと判断した場合、直ちに「やめ」。ジャッジは旗で「有効打撃」を即時告知する。
第36条(技ありの決定)
ジャッジの過半数の告知をもってレフリーが「技あり」を宣告する。
第37条(反則の決定)
反則宣告は、レフリーの判断により行えるものとする。ただし、ジャッジ合計の過半数の異議があれば、審判員協議の上で、宣告の取り消しを可とする。
第38条(中断権限)
膠着・審議・医療確認等の必要時、レフリーは「止め」により中断できる。
第39条(服装確認)
競技前、服装等に異常があれば注意し直させる(必要に応じ一旦退場)。
第40条(宣告種類の限定)
宣告は「始め・止め・無効・口頭注意・イエロー・レッド・勝ち」の7種に限る。
第41条(安全配慮)
危険を感じた場合は直ちに中断し、ドクター等に助言を求める。
第42条(技あり宣告手順)
「やめ」→開始位置へ→宣告。ダメージがある場合はその場でドクター指示を仰ぐ。
第43条(カード告知)
反則行為には「イエロー」「レッド」を規程に従い告知する。ジャッジは確認不能時、旗を胸前で交差し「確認不能」とする。
第44条(集計の原則)
クリーンヒット・反則等は、ジャッジの判断を取りまとめ、審判員総数+レフリーの1票による過半数で決定する。
第45条(資格)
IBMA_KYOKUSHINKAI公認競技の審判はIBMA_KYOKUSHINKAI審判員資格(4~1級)を有する者。過失時は降格・取消あり。公正判定に努める。
第2節 審判委員会
第46条(規程保全)
無断改変ルールを発見した場合はIBMA_KYOKUSHINKAIへ報告する(客観的事実があれば実質的著作権侵害とみなす)。諸問題はIBMA_KYOKUSHINKAI審判委員会が協議対応する。
第3節 タイムキーパー・スコアボード係
第47条(計時)
「始め」で作動、「やめ」で一時停止。
第48条(記録)
「技あり」の得点、「イエロー」による加点をスコアに反映する。
第4節 ドクター
第49条(任務)
スポーツ医学に通じた医師が健康管理を担う。IBMA_KYOKUSHINKAI指示に従い診察し、前列に着席。要請があれば診断報告・応急処置を行い、必要時は試合中止を勧告できる。
第3章 判定
第1節 勝敗の判定
第50条(終了条件)
点差7点以上で終了、または規定時間到達で終了。延長は本戦で3点差未達時に行う。
第2節 延長戦の判定
第51条(延長)
多得点者を勝者とする。同点は延長2分。休憩30秒~1分。延長戦が同点の場合は再延長戦2分を行う。
第52条(ゴールデン・ポイント)
再延長同点は先取1点(攻撃または相手反則)で勝ちとする。なお同点継続時は再延長を繰り返す。
第3節 場外・転倒とイエローカード
第53条(場外)
片足が場外に出た場合、当該選手にイエローを告知し「場外」を宣告。相手に+1点を加点する。
第54条(転倒)
自己要因等いかなる原因でも足裏以外が床に着けば、イエローの告知は行わないが相手に+1点。転倒後の注意により、3秒以内に起立できない場合は相手+2点、3秒未満は相手+1点、とする。
第4節 一本・技ありの判定
第55条 (有効打撃)
- 有効打撃の判定は、定められた「ヒットポイント」に対する打撃技の(1)正確性、(2)スピード、(3)衝撃、(4)タイミング(機会)、(5)気合(意志)、の5要素を充すものとする。ただし、競技においては5要素の内、「正確性」を充し、かつ他の2つ以上の要素を充たせば「有効打撃」として認定することも可とする。
- 有効打撃の要素と残心を伴った技を「技あり」と判定する。ただし、残心がなくても有効打撃と判定することもあり得るとする。
- 身体的ダメージは「有効打撃」の判定に含まれるが、「技あり」が認められない場合は、それ以上ではないものとする。
- 有効打撃の種類は、上段蹴り(顎・こめかみ周辺への蹴り技)、上段突き(顎・こめかみ周辺への突き技)、中段蹴り(みぞおち・左右脇腹周辺部分への蹴り技)、中段突き(みぞおち・左右脇腹周辺部分への突き技)、下段回し(大腿部の内側と外側への蹴り技)とする(第58条を参照のこと)。
- 有効打撃とは、55条1項の5要素を満たさない、決め技(有効打撃)を生み出すための連絡技の中の「崩し技」「囮技」「その他の技」を除くものとする。
第56条(得点配点)
下段蹴り1点/中段突き2点/中段蹴り1点/上段突き2点/上段蹴り3点。
第57条(一本)
「一本」と判断する状況は以下の通り。
- 防具がなければ重大損傷とレフリーが判断する見事な技。
- 約5秒以上の続行不能、または続行に危険があるとレフリーが判断した場合。
- 得点差7点以上(「勝負あり・一本」)がついた場合。
第58条(技あり詳細)
有効打撃による「技あり」の種類とその得点(詳細は別紙)
- 上段蹴り(顎・こめかみ周辺への蹴り技)=3点。
- 上段突き(顎・こめかみ周辺への突き技)=2点。
- 中段蹴り(みぞおち・左右脇腹周辺部分への蹴り技)=1点。
- 中段突き(みぞおち・左右脇腹周辺部分への突き技)=2点。
- 下段回し(大腿部の内側と外側への蹴り技)=1点。
- 下段突き(倒れた相手の胴部に突きを決める、または頭部に寸止めの突きを決める)=2点
第59条(連続攻撃・連撃)
- 突き・蹴りの連続攻撃(連撃)で技あり相当の突きが2連打以上決まった場合、最も効果的な一打のみを技ありとする。
- 突きのみの連打は4連打まで。ただし、牽制、囮の突きは1打にカウントしない。
- 「やめ」後の打撃は無効または反則とする
第62条(除外)
- 押し突き、囮や崩し技として用いる突きや蹴りは得点の対象から除外する。ただし、これらの技を使用することは可とする。
- レフリーの「やめ」の宣告の後の打撃技は判定から除外する。
第63条(同時打)
ほぼ同時の命中はレフリーの判断で「相打ち無効」とする。ただし、ジャッジの過半数の支持がある場合は、その判定に従うこととする。
第64条(倒し無効)
相手を倒して自分も倒れた場合は、その技を無効とする(倒し技が認められる場合)。
第65条(注意)
レフリーは反則行為を見た場合、単独で口頭注意または注意を宣告できる。
第6節 特記事項
第66条(判定重視点)
打撃技の判定は小刀(刀剣)の打撃の判定に準じ、正確性を最重視。なお少年部は気合いも重視(掛け声は腹圧をかけた「エイ」という気合いが望ましい)。
第67条(残心)
自然体組手立ち、極め突き、即攻撃可能な位置を「残心あり」とする。相手中心から約1~2m以上離れた場合は残心なし。「極め突き」は寸止めとする。
第68条(ヒットポイントの定義)
上中段=鎖骨~乳腺の正中線上/中段=みぞおち・左右脇腹(帯上~乳腺下)/下段=膝~腰骨の大腿中央周辺。
第69条(特例)
- 本競技では、相手の手首の瞬間的な把持・掌底での抑え等を可とする。
- 場外判定は場外線上に足裏一部が残っている場合や空中にある場合は場外でないとする。
- 「やめ」後攻撃は必ず反則とすること。
- 「連撃(連続打撃)が交錯時は「相打ち無効」またはジャッジの過半数の支持を有効とする。
第4章 反則
第1節 口頭注意・イエローカード等
第70条(宣告)
レフリーは反則行為に対し、口頭注意・イエローで宣告する。口頭注意は転倒・場外以外の軽微反則に1回まで。
第71条(場外告知)
ジャッジは場外反則を笛と旗で告知。過半数同意でレフリーがイエロー等を宣告する。イエローは事故防止・理念順守のために行う。
第72条(レッド)
故意反則や大きなダメージの恐れがある場合、即レッド(失格)を告知できる。イエローによる注意は2回まで。3回目以降は軽微でもレッド=失格。
第2節 危険な行為へのイエロー
第73条(危険行為)
- イエローカードの宣告を受けた後も反則を繰り返す場合、レッドカードの宣告となる。
- ジュニア・シニアの細目は別途定める。
- 喉・頸・鎖骨・金的・目、頭突き、噛みつき、引っ掻き、背後・背部打撃、膝関節攻撃、膝頭±10cm打撃、太ももへの前・横・踵蹴り、頭部の把持・押さえ、頸掴みからの上段打撃等は危険行為として反則となり、悪質な場合、1回でレッドカードの宣告並びに失格となる場合がある。
第3節 危険行為以外のイエロー・口頭注意
第74条(その他反則)
- 突きのみの攻撃は連続3本まで(牽制技は1打に含まない)。
- 奇声、指示不履行(「やめ」後攻撃等)。
- 片足が完全に場外線外に出ること。
- 大げさなにアピールすること(口頭注意、イエローカードの対象となる)。
- 場外1m以内での押し出し系は禁止(その他は条件付き可)する。
- 8秒以上の消極姿勢、頭を下げての間合い詰めは口頭注意またはイエロー(状況判断、イエロー時は相手+1点)の対象となる。
- 「大会で定められた試合作法の不履行」は口頭注意(1回限り)。以後はイエローカードの対象となる。
第4節 レッドカードによる失格
第75条(失格事由)
暴言・非紳士、指示不履行で悪質・危険、両手又は両膝が床の相手への打撃動作(極め突きを除く)、反則反復、イエロー・注意2回受領後の3回目以降、作法改善不能等。
第5節 失格
第76条(効果)
レッド告知または失格宣告で競技終了。相手を勝ちとする。退場作法不履行は資格取消・出場停止等の処分対象。重篤時は永久資格停止もあり。
第6節 特記事項
第77条(連撃の中断)
連撃が約3秒以上継続した場合、レフリーは必ず「やめ」を宣告する。従わない場合は反則。
第5章 選手と審判の所作
第1節 選手の所作
第78条(入場~開始)
赤=左、青=右コーナーから立礼→場外スペース前進→立礼→メインへ。中央で約2m間隔・直立。レフリーの「お互いに礼」→「構えて」→「始め」。
第79条(終了~退場)
終了後は開始位置で宣告→握手→開始位置で対面・右足一歩下がり立礼→回れ右→退場。入退場とも所定の立礼を行う。
第2節 審判の所作
第80条(入退場)
審判は選手より先に入場し、正面に整列して立礼後に所定位置へ。開始時の礼は審判・選手とも立礼。退場時も整列して立礼後、赤コーナーから退場。詳細は別記。
第3節 レフリー・ジャッジの宣告・所作
第81条(開始・終了手順)
開始は礼→構えて→始め。終了合図で「やめ」→開始位置へ→集計→宣告。
第82条(宣告確認)
ジャッジの笛・旗(技あり・場外等)を受けた場合、必ず一旦止めて過半数確認の上、口頭またはカードで宣告。
第83条(技あり手順)
「やめ」→中央戻し→宣告→開始位置→「続行」。
第84条(反則・一本)
反則・一本宣告は「やめ」→安全確認→宣告を原則とする。
第85条(位置取り)
正面席に背を向けないよう位置を変えつつ、見やすい角度で審判を行う。
第4節 審判による勝敗宣告作法
第86条(勝敗宣告)
終了ブザー→「やめ」→開始位置へ。勝者側の色旗を90度上げ「赤(青)の勝ち」と宣告。所作詳細は別記。
第6章 その他の特記事項
第87条(胴防具なしルール)
競技経験の豊富な者で、大会実行委員会が認めた者に限り、胴防具なしの特別ルールを設定できる。
第88条(遵守・不服申立)
選手・所属団体・関係者は本規程を遵守し、競技への一切の不服を申し立てないことを誓約する。
第89条(改訂)
理念・目的実現のため必要と認める場合、本規程を改訂する。
第90条(理念の帰属・禁止)
本規程は増田 章の武道理念・哲学に基づく試合法を基盤とする。理念・哲学と異なる流用、無断名称転用・類似名称使用、無断変更を禁止する。
備考(改定履歴・抜粋)
- 令和元年5月22日 制定
- 令和元年11月6日 一部改定(28条/32条-17項追加/36条17項)
- 2021/9/3 加筆修正、2021/10/6 第1章1節修正、2021/10/26 4節2項変更
- 2022/8 第3章4節8項追記(内腿・外腿)/2022/8/28 4章3節7項文言追加
- 2023/7/4 一部修正、2023/9/2 一部改定、2023/12/17 名称改定
- 2024/2/18 表記改訂、2024/3/3 カテゴリー名称変更
- 2024/8/7 競技理念・名称変更、第三章第4節1項、13・14項、6節1・3項変更
- 2024/9/11 一部改定、2025/9/8 一部改正
- 2025年/9/22一部改正














