[第47号:2021-4-2]

本号の内容について

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巻頭言

         

 

 

組手理論について 

 

 本道場では、組手理論の理解と構築を重要と考えます。ここでいう組手理論とは、組手修練を行うための基盤となる原理・原則を言葉・概念で纏めたものと言っても良いと思います。それらの原理・原則とは身体感覚と身体運用法であり、単なる言葉で表すことは難しいと思います。しかしながら、言葉・概念で表すことも可能です。言い換えれば、理論とは身体感覚や身体の運用法を言葉で理解するためのものだと言っても良いでしょう。

 しかしながら、理論とは仮説です。もちろん仮説ですから反証可能性はありますが、だからこそ吟味、かつ高次化することが可能となるのです。空手武道の組手修練の命題は、相手の攻撃から自己を護り、相手を弱体化、または無力化、さらに制圧する技術と技能を体得することだと思います。

 そのような命題を解くためには、理論を打ち立て、それを活用することが有効だと思います。補足を加えますと、今日における空手の組手修練は、審判を立て、審判の非常に主観的な視点に全てを委ね、優劣を認識するだけのものとなっています。そのような行為には、普遍的な理論ならびに高次の技術や技能は生まれるはずもありません。なぜなら、理論の構築には、事実を厳密に掘り下げるような視点と考察が必要だからです。

 空手武道の本質である武術の戦いを極めるには、本来的には審判に判断を委ねるような感覚があっては駄目です。あくまでも自他の関係性を自らが判断、制御、決定しなければならないのです。それが武道の原点です。

 ゆえに極真会館増田道場の空手武道修練は、スポーツから取り入れた訓練法があったとしても、スポーツとは異なります。その違いは、原理・原則、そして概念が異なるという点です。ただし、空手武道の原理・原則の中に、スポーツ競技の原理・原則との共通点が見られるかもしれません。しかしながら、あくまで空手武道の試合並びに審判とは、各々の身体感覚と身体運用法、すなわち技能を養成するためのサポート役です。私はそう考えています。また、スポーツとの共通点を了解するのは、あくまでも空手武道の独自性を認識するための手段です。そして、空手武道を己の個性と一体化すること、すなわち「我が物」とするためです。

 また本道場では、実技の習得、技能の習得を目指すのみならず、空手武道の理念を掲げます。理念とは「理想のあり方の追求」と言い換えても良いものです。本道場は、理念を念頭に、独自の作法を始め、各空手技術の概念を明確化します。

 本デジタル空手武道教本に収められている修練用語(修練用語辞典)とは、組手理論を理解するための概念を理解するためのものです。また修練のみならず修道とは、それの用語を理解することから始まると言っても良いでしょう。言い換えれば、用語を理解しようとせずに組手や試合を行うのは、競技を楽しむことを目的とするスポーツよりも理論的、かつ文化的ではありません。あえていえば、エネルギーの発散にしか過ぎないと言っても過言ではないでしょう。

 最後に、組手の背後にあると考えられる原理原則を理解し、仮説としての理論を学ぶ、あるいは再構築していくこと。そのような修練と修道の過程において、自己の成長と更新を実現することが、拓心武道の説く、空手武道哲学でです。

 

↓第4回月例試合の参加者  

 

 

2021年4月のイベント予定

  1. 昇級審査会:4月11日(日)
  2. 昇段審査補講(予定):4月18日(日)
  3. 第5回月例試合:4月25日(日)
  4. 昇段認定式:4月29日(木曜祝日) 

 

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第47号 編集後記

理論を学ぶことの意義

 

 理論を学ぶことには効用があります。ただ体験、すなわち身体を動かすだけでは、より良い結果を得ることができません。また、一時的に望ましい体験の結果を得たとしても、そのことがかえって将来的に災いをもたらす原因となることもあるでしょう。

 より善い体験というのは、結果を漠然と受け取るのではなく、結果とプロセスを振り返る作業(吟味)がなければならない、と私は思っています。そして吟味による理論(仮説)を次の行動に活かしていくことが大事だと考えています。

「今日、失敗しても、明日は成功したい」と思うなら、理論を学ぶことが役立ちます。なぜなら、無駄な経験を避け、よくない選択を回避する能力が身につくからです。もちろん理論は絶対ではありません。あくまでも仮説の一つにしか過ぎません。

 しかしながら、理論に照らせば、「結果の予測」「事実をより正しく理解する物差しを得る」「無限とも思える現象を整理できる」「成功への仮説を生み出す」ことが可能となります。さらに言えば、 そのような自らの体験をもとに考える力を養成することが成功よりも大切なことだ、と私は考えています。

 最後に、原理・原則を体得し、それを実践する能力を身につけること。その先に「道」があると思っています。以上が、極真会館増田道場における空手武道修練であり、拓心武道メソッドの考え方です。その拓心武道メソッドはTS方式の組手法でしか実現しないと思っています。

  • 一部加筆修正

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