新しい武道スポーツをデザインする2018〜 “ヒッティング”の誕生に向けてー2

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新しい武道スポーツをデザインする2018〜 “ヒッティング”の誕生に向けて その2

 2018年03月31日

 テーマ:小論文(草稿)

 【「あきらめない」という信念とは〜個の尊厳】

 私は極真空手の試合における「あきらめない」という信念とは、人類の闘争の歴史に見られる”人命”や”個の尊厳”を軽んじる価値観に繋がっているように思えて嫌いです。また、情念に頼る、無理な戦術を正当化する常套句のように思います。
   私は、TSスタイルという試合形式、通称“ヒッティング(Hitting)”に込めた思いは、”個の尊厳”を最も重いものとして考える思想に立脚しています。それはTSスタイルに先駆け構想した、フリースタイルカラテに込めた祈りをTSスタイルにも引き継がせたと言っても良いでしょう。 ならば、真(ほんとうの)の「あきらめない」という信念とは何か?それは「内発的な人間の良知と共振し合う希望」ではないかと、私は考えています。換言すれば「人間は希望がある限りあきらめない」ということです。そして、すべてのジャンルで必要なリーダーの最も重要な役割は「人が希望を失わないようなシステム(社会システム)」を作り上げることなのです。この辺でこの話はやめたいと思います。いずれ構想をまとめます。一冊の書籍ぐらいのボリュームになると思いますから。ただTSスタイルの試合に参加する道場生に、この新しい信念の萌芽を期待し、木曜日から悪化した腰痛に苦しみながら、この拙稿を書いています。

【人間を幸せにする空手】

 ここで、これまでのフルコンタクト空手の変遷を俯瞰してみますと、先述したように相手を倒す、相手にダメージを与える、という共通目標、そして、そのための典型的戦術があるようです。私は、そのような目標を一旦、奥の間(奥伝)に封じ込めます。かつての私も、すべての格闘技を「相手の戦闘力を奪うこと」とし、その命題の解明のための「フリースタイルカラテ」を考案しました。しかし、そのような命題の解明を封印します。そして、もう少し道場生のレベルが上がり、道場生が増えたら再開します。言い換えれば、壮大な理想を一旦傍に置き、再度、空手道の原点に回帰し、基本から空手流派を作り直すことに必要な要素が、TSスタイルという試合形式なのです。

 私はTS形式を採用した方が、IBMA極真会館の理念の具現化に良いと思います。また、それを優先させた方が増田空手の礎になると考えます。 “ヒッティング”の目指すところは、自他、そして「人間を幸せにする空手」です。そのために必要なことは?。誤解を恐れずにいえば、それは空手を人生を楽しむための遊具と自覚することです。

 先述した増田空手の理念とは「武術の修練による心身錬磨を通じ天地自然の理法を学び自他一体の道を修める」です。武術の修練とありますから、伝統的な極真空手の修練にある、組み技や逆技や武器術の修練も行います。ただ、そのような修練を行う前に、組手技と組手の修練により、相手と共に技術を磨きあうこと。そして、相手と共に空手道を高め合っているということを認識することが重要だと思います。そのためにTSスタイルを基本にすることからやり直したいと考えています。さらに言えば、組手試合を通じて、真に認め合い、友達になるには、TSスタイルの方が良いと、私は考えています。

 今回は、TSスタイルの仮の説明です。TSスタイルの試合規約はすでに完成しています。道場生の皆さんには、いち早くお知らせします。今、その正式な論文を書いています。それは、フリースタイル空手の構想論文であった、「新しい武道スポーツをデザインする」の全面改訂版「新しい武道スポーツをデザインする〜“ヒッティング”の誕生」としています。おそらく正式な論文は、スポーツ論やこれからの社会スポーツ論、健康スポーツへの提言も含めて、100ページを超えるでしょう。資料等も見直す必要があるかもしれません。ゆえに時間が必要です。また現在、腰痛が悪化しています。この文を、音声入力を用いたり、10分間ずつ休みながら書いています。また、論文より前にやることがあります。それは防具の決定です。TSスタイルは下段、中段、上段に防具をつけます。下段、中段はインナープロテクターです。そのことにより試合における傷害を防ぎます。その防具のアイディアは既にあります。協力してくれるスポンサーがいればありがたいのですが、今は全て、一人でやらなければなりません(審判委員長の荻野氏がいつも協力してくれています)。気をつけたいことは、フリースタイル空手プロジェクトの時のように無理をすることです。無理をすれば、もう私の心身は持ちません。ゆえに「小さく産んで、大きく育てる」の気持ちで行きたいと思います。

 最後になりますが、私の新しい構想が実現すれば、相手の体を打ち合うような組手が、テニスや卓球と同じようなコミュニケーションの手段として生まれ変わるかもしれないと思っています。この構想の先駆けとなる、「フリースタイルカラテ構想」はこのTSスタイルによって、カラテ武道の基礎的技術、能力を養成してから、発展形として行えば、より空手武道の理想に近づくのではないかと考えています。誤解を恐れずに言えば、空手武道の基礎もできていない相手に、フリースタイルを伝えようとしたことに、大変な無理がありました。ゆえに私はさらに原点回帰を考えたのです。

 私は自己に対峙するものを否定するような次元に止まりたくはありません。これまで空手界では、仲間同士が否定しあい、喧嘩ばかりが続いてきました。もちろん私も、他者を否定するような発言をすることがあります。しかし、それに対し誠実に対峙し議論をしようというものは皆無でした。ゆえに、私の考えは全くと言っていいほど理解されないものだと考えてきました。
 私の「新しい武道スポーツをデザインする」は、10年ほど前から構想したものです。現在は、実践を経て、その内容を見直し、その改定版を準備しています。要するに、私の理論の未熟だった点を改善し、再編集しています。それでは、今までの構想は間違いだったのかというと、そうではありません。TSスタイルもキョクシンやフリースタイルによる「相手の戦闘力を奪うこと」という命題の解明の中から誕生したのです。また、キョクシン、フリースタイル、TSスタイルは共通の基盤の上に成り立っています。さらにいえば、これまでもそうでしたが、すべての空手家が交流、理解、尊敬し合えるような武道を構想しています。また、極真空手家の宿命とも思える壁を乗り越えることに、私は挑戦しています。いつまで続けられるかはわかりませんが…。

 繰り返しになりますが、新しい空手道は、決して相手を傷つける手段、修練ではありません。新しい空手道とは相手と共に自分を生かす道である、という理念に合意することです。補足すれば、空手を相手と共に楽しみ、そしてより多くの仲間を作る手段としていくことがTSスタイルの根底にある思想です。是非とも、交流試合に参加する道場生の皆さんにおかれましては、TSスタイルを難しく考えないでください。これは増田道場の組手法、そのものなのです。また、今回は特に、勝ち負けに拘らず、試合を楽しむ気持ちで参加してほしいと願っています。

(終わり)

2018-4-1:一部修
2018-4-2:一部修正

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