迷いの多い時期だからこそ、自分自身と向き合う
思春期から青年期は、
自分自身について深く考え始める時期です。
人からどう見られているのか。
自分は人より優れているのか、劣っているのか。
何を目指せばよいのか。
自分はどのように生きたいのか。
周囲との比較や評価の中で、
自分自身を見失いそうになることもあります。
IBMA極真会館では、武道を、
そうした時期に
自分自身と向き合うための学び
としても考えています。
人と比べるだけでは、自分の強さは分からない
武道には、勝敗があります。
試合をすれば、勝つ人と負ける人がいます。
稽古でも、
上手な人、速い人、強い人がいます。
競争することや、
他人と自分を比べること自体が悪いわけではありません。
比較することで、
自分の現在地を知ることもできます。
しかし、他人との比較だけで自分の価値を決めてしまえば、
いつまでも自分の外側に基準を求め続けることになります。
昨日の自分より、一歩前へ進めたか。
できなかったことに、もう一度向き合えたか。
感情に流されず、自分で判断できたか。
自分の弱さをごまかさず、受け止めることができたか。
武道の修練を通じて、
人との比較の中にある強さから、
自分自身の中にある強さ
へと視点を移していきます。
自分を知ることから、強さは始まる
武道では、自分の身体をごまかすことができません。
疲れている。
怖い。
緊張している。
怒っている。
集中できていない。
そうした自分の状態が、
動きや技に表れます。
だからこそ武道では、
相手を見るだけでなく、
自分自身を見ることが求められます。
自分の長所だけではなく、
弱さや未熟さも知る。
そして、それを否定するのではなく、
どう向き合うのかを考える。
私たちは、
自分を知ることこそ、自分を育てる第一歩
だと考えています。
自信とは、「自分は強い」と思い込むことではない
思春期や青年期には、
自信を失ったり、
人からの評価に大きく左右されたりすることがあります。
しかし、私たちが考える自信とは、
「自分は誰よりも優れている」
と思うことではありません。
自分には、
できることも、できないこともある。
強いところも、
弱いところもある。
それを知ったうえで、
それでも自分で考え、
自分で選び、
一歩ずつ前へ進む。
自信とは、
他人より上だと思うことではなく、
自分自身を信じて進む力。
その積み重ねが、
他人の評価だけには左右されない自信につながります。
感情をなくすのではなく、感情に支配されない
武道では、
恐怖や緊張、怒りと向き合う場面があります。
それらの感情を持つこと自体が悪いわけではありません。
大切なのは、
感情に支配されて行動するのではなく、
自分の状態を理解したうえで行動を選ぶことです。
相手を制する前に、
自分自身を制する。
これは、道場の中だけで必要な力ではありません。
学校生活。
人間関係。
進路。
仕事。
人生のさまざまな場面で必要になる力です。
自分を確立することと、他者を尊重すること
「自分らしく生きる」ということは、
他人を否定することではありません。
武道では、
相手と向き合いながら自分を学びます。
相手には、
自分とは違う身体、考え方、立場があります。
自分を失わず、
同時に相手の存在も認める。
IBMA極真会館では、
武道の礼を、
自分と他者がともに存在するための学び
として考えています。
勝敗の先に、何を学ぶか
勝つために努力することは大切です。
しかし、勝ったから自分に価値があり、
負けたから価値がないわけではありません。
勝ったときに、自分を見失わない。
負けたときに、自分のすべてを否定しない。
結果を受け止め、
そこから次に何を学ぶのかを考える。
私たちは、
その過程そのものを武道の修練だと考えています。
勝敗から学ぶ。
しかし、勝敗だけに自分の価値を預けない。
「なぜそうするのか」を考える
武道では、
技の形を覚えるだけではなく、
その理由を考えることが大切です。
なぜ、この姿勢なのか。
なぜ、この間合いなのか。
なぜ、このタイミングなのか。
IBMA極真会館では、
技の背後にある原理を考えながら学ぶことを
「理法の探究」
と考えています。
教えられたことをそのまま覚えるだけではなく、
自分で考え、
実際に確かめる。
この姿勢も、
青年期に身につけてほしい大切な力の一つです。
自分の軸を持つということ
自分の軸を持つことは、
頑固になることではありません。
「自分はこう考える」という立場を持ちながら、
必要であれば自分の考えを見直す。
他人の意見を聞きながら、
最後は自分で考えて選択する。
自分を持つことと、
他者から学ぶことは矛盾しません。
むしろ、
自分の軸があるからこそ、
他人の考えにも落ち着いて向き合うことができます。
道場で学んだことを、人生へ
武道を学ぶ意味は、
道場の中で強くなることだけではありません。
自分を知る。
自分を律する。
他者を尊重する。
失敗から学ぶ。
自分で考え、選択する。
それらを、
学校、仕事、人間関係、
そしてこれからの人生に活かしていく。
武道を、人生に活かす。
それが、
IBMA極真会館が目指す武道教育です。
増田章の考え方
増田章は、思春期や青年期における武道を、
単に「精神的に強くなるため」のものとは考えていません。
他人と比較して自分の価値を決めるのではなく、
自分自身の長所と弱さを知り、
感情や状況に流されず、
自分で考えて行動できる人間になることを重視しています。
また、自分を確立することと、
他者を尊重することは対立するものではなく、
自分を失わずに相手の存在も認めることが、
武道における重要な学びだと考えています。
こうした「強さ」「自己制御」「礼」「他者との関係」についての考え方は、
増田章の武道研究や「拓心武道」の中で、
さらに深く考察されています。
武道を、さらに深く学ぶために
IBMA極真会館では、
極真空手を大切な土台としながら、
武道の理法、礼法、修練法、教育について研究しています。
その研究体系の一つが
「拓心武道」です。
拓心武道では、
強さや勝敗だけでなく、
自己制御、他者との関係、
武道を人生にどう活かすかについても研究しています。

