
[第76号:2025-12-2]
第76号の内容
- 巻頭コラム:AKIRA MASUDA
- 1)KWU SENSHI JAPAN空手関東大会について
- 2)能登半島復興義援金について
- 3)ボランティアスタッフの懇親会について
- 4)IBMA極真会館相模原支部、AKIRA武道スクールの会員がプロのムエタイ興行で勝利
- 5)IBMA極真会館本部道場・年末年始の予定、他
- 編集後記 第76号 (増田コラム)

巻頭コラム AKIRA MASUDA

【運と宿命の帳尻を問われる時】
これまでの人生を振り返ると、まず胸に去来するのは、
「自分は運に恵まれてきた」「まことに有り難いことだ」という深い感慨である。
しかし同時に、人生の最終局面に向かう身として、これまで授かってきた「運の良さ」の帳尻を静かに問われているようにも感じている。
すなわち、運に恵まれることは決して安逸を保証しないということ。そして、人生とは最後の瞬間まで己と対峙し続ける営みである、ということである。
同時に、人生とは“宇宙の法”と向き合うことにほかならない、と私は考えている。
私自身の歩みを顧みても、幸運に恵まれた裏側で、しばしば不運とも思える困難に直面してきた。
ただ、そのたびに何とか乗り越えることができた。その事実こそ、私にとっての「幸運」であったと言える。
さらに言えば、私の人生は常に綱渡りのようであった。一度でも気を緩めれば奈落へ落ちてしまう。そんな恐れを抱えながら歩んできた。そして実のところ、今もなお綱渡りは続いている。
しかし、ひとつだけ認識に変化が生まれている。
試練に向き合うことで人格は鍛えられる、と感じられるようになったことである。
決して私自身が人格者であると言うつもりはない。ただ、「人格を高めよう」と思うその意志が、心を静めてくれるのだ。
結局のところ、私は絶えずこう諭されているように感じている。「人間としての修行は終わらない」「覚悟を保ちなさい」と。
【五行歌に託した思索】
そんな折、ふと一編の五行歌が脳裏に浮かんだ。
五行歌
宿命に対峙し
偶然を活かして
行くこと
それを運命
という
本来
必然はない
偶然を
必然とする
法(道)があるだけ
【宿命と病と向き合う日々】
私は、頑健だと覆われているようだが、率直に言って、加齢の影響で体調が優れない。
それでも宿命に正面から向き合い、そこに生じる偶然を活かして歩むことにしている。
その途上には、常に新たな発見と気づきがもたらされる。
私の探究のテーマは次の通りである。
- いかにして自己の「心技体」を統合するか
- いかにして自己を閉ざさず、常に他者へ開き続けるか
- いかにして外部情報に対処し、的確に応答するか
- いかにして自らの哲学と美意識を継承する者を育てるか
私の心身がどこまで耐えられるかは分からない。
だが、宿命と向き合い、偶然を活かしながら生きたいという願いに揺らぎはない。
【複雑性への眼差しと自我の処し方】
世界の事象は決して単純ではない。すべてが複雑に絡み合い、多層的に作用している。
それを安易に単純化する人もいるが、その複雑性の全体像を理解し尽くすことなど、凡庸な私には到底かなわない。
しかし、複雑な事象を束ね、より良い方向へ導くためには、まず自我を脇に置き、自然環境と社会環境の双方を「空間的にも時間的にも最適化する」姿勢が求められる。
換言すれば、自他の利益の最適な均衡を追求し、調和を保ち続ける営みである。
【欲望の転化と人間としての到達点】
その最適化の先に、ひとつの到達点が見えてくる。
それは、「たった一人であっても、自らの欲望を他者の人生に役立つ形へと転化する」ことである。
私は、まさにその転化こそが、人間としての成熟の証なのではないかと考えている。
重要〜選手募集中
「TS防具空手」他団体の大会に採用されました
2026年2月11日(水・祝)、「横浜武道館(メインアリーナ)」にて開催される 「パラカラテドウ&インクルーシブ教育支援金チャリティー、I.K.O.N.極真会館 全関東空手道選手権大会、全日本シニアマスターズ空手道選手権大会/第3回武錬横浜カップ」において、増田 章が提唱する 「TS防具空手」 が、正式に試合種目として採用されました。これに伴い、IBMA極真会館の会員の皆様ならびに出場に関心をお持ちの方々へ、 試合参加のご案内をいたします。みなさん、奮ってご参加ください。
Announcement: “TS Bogu Karate” Adopted as an Official Competition Category
On Wednesday, February 11, 2026 (National Holiday), at the Yokohama Budokan Main Arena,
the following event will be held:
“Para-Karate-dō & Inclusive Education Support Charity
I.K.O.N. Kyokushinkaikan All Kanto Karate Championship
All Japan Senior Masters Karate Championship / 3rd Buren Yokohama Cup.”
We are pleased to announce that “TS Bogu Karate,” proposed by Akira Masuda,
has been officially adopted as one of the competition categories in this event.
Accordingly, we would like to invite members of the IBMA Kyokushin Kaikan
and anyone interested in participating to join this tournament.
1)KWU SENSHI JAPAN空手関東オープン2025について
11月3日(月・祝日)、相模原市立総合体育館にて「能登半島復興支援・KWU SENSHI JAPAN空手関東オープン2025」を開催しました。大会は、おかげさまで無事終了いたしました。皆様のご協力に感謝いたします。
IBMA極真会館の入賞者は以下の通り
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参加選手の皆さん、おめでとうございます!!
2)能登半島復興義援金について
大会で集められた義援金ならびに大会の収益の一部を石川県に寄付させていただきました。
↓石川県知事の馳知事に直接挨拶に伺いました。

3)ボランティアスタッフの懇親会について
11月23日、八王子にて、大会に協力してくれたボランティアスタッフの懇親会を行いました。その模様のショート動画を青木先生が制作してくれました。
4)IBMA極真会館相模原支部、AKIRA武道スクールの会員がプロのムエタイ(キックボクシング)興行で勝利!
青木先生率いる、AKIRA武道スクールの中里くん、元井くんが、11月30日、スックワンキントーン主催のムエタイ興行で勝利しました。
おめでとうございます!!
◯中里晃聖(2-0)
判定勝ち
尚、中里選手は、本年12月14日に大阪で開催される正道会館全国大会にも出場します。
◯HIROKI(3-0)
判定勝ち
がんばれHIROKI!!
尚、HIROKI選手は、キックのプロ選手のみならず、空手試合の審判や指導もしています。また、来年の2月15日には全日本キックボクシング連盟の新人王決勝戦に臨みます。

↓HIROKI選手は11月3日の空手関東オープンにおいてもデモンストレーションマッチを行い勝利しました。
IBMA極真会館の皆さんの応援をお願いします。
5)IBMA極真会館本部道場・年末年始の予定、他
◎参加者募集!! 誰でも参加できます(ただし、IBMAとの交流実績がない方には、活動実績等による、簡単な審査を実施します。安全性と理念に照らして、審査に合格しなければ、出場できない場合もあります。)
辰野少年合宿2025年参加された方々へ
辰野町在住の「TATSJIN・AN」後援会長である「馬渕会長」にリンゴをいただきました。全員にお裾分けできないかもしれませんが、秋吉先生から受け取ってください。とても美味しい長野のりんごです。
↓馬渕会長と増田。左側は「夜明け前」で有名な小野酒造の社長です(4年前)。



少年合宿の宿(茅葺の館)
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編集後記 第76号 私にとっての「剣」とは「心」と同義だ
11月3日の KWU SENSHI JAPAN 空手関東オープンを、おかげさまで無事に終了することができた。
このイベントは1年前から構想していたが、なかなか方針が定まらず、今年の中頃まで準備が思うように進まなかった。加えて、8月の少年合宿の最終日、私は左脚の大腿直筋を肉離れした。大腿直筋の肉離れは初めての経験であった。医者には、まずは松葉杖を使うようにと言われ、そうしなければ回復が遅れると警告された。しかし、私はのんびりしてはいられなかった。3か月後には、このイベントを控えていたからである。さらに、1年前から予約していた会場が手違いでキャンセルされていた。通常であれば、これで「万事休す」となるところだ。一応、代替会場を探したが見つからなかった。青木先生に相談すると、「相模原なら何とかなる」と代替場所を確保してくれた。正直、辺鄙な場所で、箱も小さかったが仕方なかった。
私は、このような事態を招いた責任はすべて自分にあると考えていた。そして「あきらめるべきか、それともやるべきか」の狭間で迷った。しかし、ここで中止すれば、来年の大きなイベントはさらに困難になると予想していた。不適切な例えかもしれないが、来年は“戦闘開始”である。だが、その戦いに臨む戦士がいない。指揮系統も整っていない。
ここで言う“来年の戦闘”とは、敵を想定して戦い、勝つための戦闘ではない。
私の考える戦闘とは、「理想の旗を掲げ、大義のために戦う物語の始まり」でなければならない、という構想であった。
私は迷った。しかし、歩くこともままならない身体、そして年々不調が増していく身体に協力してもらわねばならなかった。「本当にできるのか」「体力と気力は持つのか」と。他方、私の不安や焦燥とは関係なく、周囲の協力者は「やりましょう」と言ってくれた。
「何、やるのか?」「本当に?」と思った。そして「わかっていないな」とも感じた。しかし、「周囲を信頼し、全力を尽くしてみよう。これもまた修行だ」と思い直した。そして、やり切った。結果として、本当に周りの人たちが頑張ってくれた。
思い出せば、30年前、私は古くからの空手仲間と小さな空手団体を立ち上げ、全日本大会を12回ほど主催した。初めての大会の最終日には血尿が出た。また、何度も徹夜をした。眠れなかったからだ。正直、その時の大会運営は、空手の稽古よりも過酷であった。その結果、数名の大切な仲間が私のもとを去った。今思えば、彼らには感謝の気持ちしかない。
それらの大会と比べれば、今回は規模が小さい。しかし、私は完璧主義であり、どうしても「キリ」がなくなる。すなわち、「これでもか」と理想を追い求めてしまう。その結果、周囲を苦しめ、自身の心身も限界に達してしまうようである。
繰り返すが、今回は小さな大会ではあったが、秋吉、青木という両腕のような仲間と力を合わせた。その経験は、かけがえのないものとして心に刻みたい。そして、この経験を次の物語につなげたい。
大会当日、司会進行の準備が間に合わず、失態に胃が痛んだ。その時、私の道場に最も古くから在籍している平尾氏のことを思い出していた。30年前、平尾氏はボランティアで司会原稿を作成し、進行を務めてくれた。当時、平尾氏は某大手百貨店の人事部で働いていた。
その時の記憶が蘇り、改めて平尾氏に深い感謝の念が湧いた。
平尾氏は現在、ALS を発症し、病床に伏している。数か月前、平尾氏は古くからの黒帯たちに声をかけ、「会いに来てくれ」と要望した。私もすぐに駆けつけた。すでに声は出なかったが、奥様を通じて「主人はまだ死ねない、そして頑張ると言っております」と伝えられた。
また、40年以上の付き合いとなる荻野先生も数年前からパーキンソン病を発症している。そんな中、私が審判が足りないと告げ、「少しだけ助けてほしい」とお願いすると、先生は一日中、主審を務めてくださった。
荻野先生の思いを受け止め、私は今、最期まで理想と志を捨てるわけにはいかないと考えている。
実は、私と荻野氏は家族のような関係である。荻野氏は7年前に癌も発症したが、幸いにも非常に稀なケースで回復を遂げた。
私は時折、荻野氏と旅をする。といっても、私の仕事のついでや剣の修行の道中に同行してもらう程度である。今、私は剣の修行が楽しい。とはいえ、正座もできないほど身体が壊れているため、大した稽古はできない。身体が壊れていない頃に修練していれば、もっと上達したかもしれないとも思う。しかし、今はそのような次元で剣を修行しているわけではない。つまり、「楽しい」とは、何かを斬る技術が向上したり、技が上手くなったりすることに対して感じることではない。身体が老い、壊れかけていても、若い頃とは異なる次元で武術を見つめることができることに対して感じることだ。今、肉体の全盛期の頃、百人組手で垣間見た“肉体的限界”とは異なる、もう一つの限界、新たな地平に挑戦できることが楽しい。
また、極言すれば、私の考える「剣」とは「心」と同義である。
剣を通じて心を極める。
拳足の武技を通じて心を極める。
生老病死を通じて心を極める。
すべて同義である。
そして、それこそが私にとっての「修行」であり、これからもそれを楽しんでいきたい。
【五行歌】
私にとっての「剣」とは「心」と同義だ
剣を通じて心が
拳足の武技を通じて心が
生老病死を通じて心が
やがて全てが一つになっていく
(心一)















