[第30号:2019-6-2]

本号の主な内容

デジタル教本(組手型、他)の更新(以下にリスト)

以下の組手型は新装版デジタル空手武道教本(5月に更新予定)に新たに分類整理され掲載される予定です。また、本映像は組手型の稽古映像ですから、正式の組手型の映像は、新装版デジタル空手武道教本の中で更新され、掲載されます。デジタル空手武道教本は、今後IBMA極真会館空手道の修練に欠かせないものです。誤解を恐れずに言えば、日々の稽古のみならず、教本と講習による稽古がなければ、IBMA極真会館の空手道は学べません。もうしばらくお待ちください。

 

組手型の更新

今回はIBMA極真会館増田道場の組手技の基本的な組手型ならびに逆技の組手型を更新しました。

「逆技」は極真会館の重要な技術の一つです。テキストに古式とあるのは極真会館の創設者である故大山倍達総裁が記した逆技をなるべく忠実に再現した技術です。IBMA極真会館増田道場の仕事として、大山倍達先生の残した技術を再現し継承すること。さらに、その技術を発展させて行くことです。組手型とは、分解型でもありますが、様々な武技と術を発展的に承継して行くためのシステムだと理解してください。ゆえに、IBMA極真会館増田道場は基本、型(組手型と伝統型)、組手、そして武道哲学(武道理論)を学ぶことを真髄へ到る道だと考えています。

 

  1. 左自然体組手立ち突き技基本6種(その場)
  2. 入り身・中段逆直突きに対し「退き身下段払い受け上段逆回し蹴り」
  3. 手首掴みに対し「小手固め」極真古式

特別映像 増田講義

増田の組手のみならず空手に対する考え方を述べています。ただし、第1回と第2回の内容を併せなければ不十分だと考えています。第1回目は、まだ大雑把すぎる様に思います。また、必要のないことも述べています。身内に対する講義ということを、ご理解ください。

また、第3回目の講義を速やかに企画し、その際、より簡潔に主旨をまとめ、足りない部分を補足したいと考えています。どちらにせよ、1時間のボリュームは必要だと思われます。

 

組手型の名称の読み取り方

組手型の名称の読み取り方に修正部分があります。28号以前の組手型は修正前です。今後、全ての組手型の名称(記載方法)を修正します。赤字、下線ありの部分が変更部分。デジタル教本は6月(予定)以降、全リニューアルします。 組手型の名称の読み取り方には規定を設定しています。その規定を理解すれば、名称で大体の組手型の構成が理解できます。組手型は仕掛け手による仕掛け技と応じ手による応じ技(位置どりのための運足ならびに防御技と反撃技)によって構成されています。組手型の名称はその技の構成を増田式の規定法により分類整理しています(この方法は、増田 章の考案、著作物です)。 例: 〇〇〇に対し「〇〇〇受け〇〇〇突き

  1. 〇〇〇に対しの部分は、仕掛け技の名称
  2. 〇〇〇受けの部分は、防御技の名称
  3. 〇〇〇突きの部分は、反撃技の名称」
  4. 最後に(〇〇)として(入り身、退き身、背後取りなど)と記載されているのは位置取り理合を示しています。
拓心武道 修練法(メソッド)は

「制心」ー「制位」ー「制機」の三制一致による「制勝」を目指し

道(天地自然の理法)との一体化

神人合一を目的とします。

 

ワンポイントレッスン

 TS方式(アルファと顔面突きありのベータの2種があります)の試合では、突きや蹴りをヒットポイントにクリーンヒットさせれば「技有り」となります。TS方式は完全ポイント制です。ダメージを与えないで、正確な突き蹴りを当てれば「技有り」として得点となります。試合は、防具を着用し、身体へのダメージを極力なくして行います。その上で、相手による突き蹴りを巧みに防ぎ、自己の突き蹴りをいかに巧みに当てるかという技能(スキル)を競います。※詳細は、競技試合規定をご覧ください(IBMA極真会館増田道場の会員のみ)

 また、TS方式にも「一本」という判定基準はありますが、「一本」はボクシング競技のノックアウト、極真スタイルのダメージがある突きや蹴りということではありません。「一本」が主審より宣せられ、試合が終了する場合は、技の効果等により、これ以上試合を続行すれば、競技者の身体に障害を与える可能性がある場合、試合続行の停止という判断のもと、判定基準です。例えるならば、アマチュアボクシングにおけるRSC、レフリーストップコンテストと同様のものです。具体的には、①審判による試合続行停止の判断ならびに、②相手との得点差が6点以上となったとき、となっています(点差はクラスによって異なります)。

TS方式(アルファ、ベータ)の競技試合規定によるヒットポイント図

 

 

  お知らせ

  • デジタル空手武道通信では、常時コンテンツを修正、補充(アップロード)していきます。
  • すべてのページの閲覧には定期購読会員登録が必要です。デジタル空手武道通信の案内
  • ※近日中に以下の更新、掲載を予定しています。 IBMA極真会館空手道の基本修練項目を改訂版の掲載を予定しています。 IBMA空手競技規定の改訂版。 増田章の空手レッスン。

 

昇段審査会において、先師へ拝礼

編集後記   第30号

 先日、組手講習会を行った。全ての黒帯に参加して欲しかったが、全てではなかった。誤解を承知でいえば、これまで私が教えてきた極真空手は極真空手の基本とわずかばかりの増田の空手メソッドである。しかし、そのメソッドは、「相手を痛めつけない」「組手は優しく、スピードに頼らない」「組手は野球のキャッチボールのように」など抽象的なものだった。もちろん具体的に組手に使う「技」を伝えたが。技のクオリティーをあげるということが伝わっていなかったように思う。あんな状況では、私の空手も伝わっていなかったに違いない。私も加齢と共に、故障などで、身体が思うように動かない。そんな中、どうしたら道場生の身体に、優れた技と技能を生み出す種子を与えたら良いかを考えている。そうしてたどり着いた答えが、現在、極真空手だと思われている競技空手を脇に置き、新しい空手の稽古法を確立し伝えることだと考えている。既存の価値観を絶対だと思っている人には、理解できないかもしれない。私の空手稽古法が、本当に一人ひとりの道場生の上達を保証するかどうかもわからない。しかし、それでも私の空手稽古法を行えば、空手武道に対する認知レベル及び認識レベルが上がると確信している。なぜなら、私の稽古法は、現在、誰も行っていない、大山倍達総裁の技を再現する試みから始まり、古今東西の古の武術と武術家の武道哲学を研究して考えたものだからである。もちろん、古典的な武術の復古といったことではない。「温故知新」、空手武道を未来へ進化、高次化することが、私の空手メソッドの目的である。

※ヒッティングならびに増田空手メソッドを学びたい人は組手講習や合宿に参加することをお勧めします。道場稽古では、時間的に不十分です。講習は最低でも10時間以上講義と実技稽古により、その理論を体と頭の両方で理解することが必要です。断片的ではダメです。真の理解というのはストーリー的に全体とその中心(核心)を理解することではないかと考えています。うまく伝えられませんが…。