[第38号:2020-8-15]

   

本号の内容について

 デジタル空手武道通信は、コロナ問題への対応やデジタル空手武道教本の制作などでお休みしていました。本号では、最近の活動についてまとめてみました。ぜひご覧ください。

 

 本号の内容は、デジタル空手武道教本のお知らせが中心です。まず、8月9日に開催された昇級審査の模様を映像でアップしました。今後は、デジタル空手武道教本に映像と併せて、審査における要修正箇所を「チェックポイント」として掲載していきます。また、人のチェックポイントも自分の上達のための参考になると思いますので参考にしてください。

 次に新型コロナウィルス感染予防を考慮した稽古法を「初級テキスト」として、映像公開しています。内容は組手講習会の模様を編集したものです。参加した人も復習のために。参加していない人も予習のために閲覧してください。しばらくは、この稽古法を組手の稽古法とします。ただし、TSアドバンス方式の指導は本部の指示に従ってください。

 なお、本道場の段位認定には、実技審査が最も重要です。実技審査の内容は、基本、伝統型、組手形、組手(TS方式)、用語理解です。これまで段位を取得した人達も十分な人はいないと思います。デジタル空手武道教本で自習してください。現在、組手稽古は、面防具を使って行っています。この機会に突きによる頭部打撃の技術並びに防御技術の習得をしてください。

 また、現在、伝統型の技術レベルが低いままです。今後は組手のみならず伝統型の習得レベルを向上させていきます。それに伴い、黒帯の方々も伝統技の活用法を理解し、伝統型の背後に隠された空手武道の意味体系を体得してください。デジタル空手武道教本では、黒帯の伝統型指導の模様も掲載していきます。また、増田の空手技術も完璧ではないので、批判(=吟味)を加え、より高いレベルを目指し、批判(=吟味)を加えて行くつもりです(できる限り)。皆さんも、批判(=吟味)をしつつ、自己のレベルをあげていってください。その努力の集積が「場」としての道場のレベルを上げていきます。

 

 ◎デジタル空手武道教本は、会員専用のデジタル空手武道教本TXにて閲覧できます。閲覧にはログイン用のアカウント(ユーザー名)とパスワードの入力が必要です。現在、試験運転中です。閲覧希望の方はメールにて問い合わせてください。

 

特別公開~THE KUMITE-KATA/伝統技の活用

 研究科で研究中の伝統技の応用を学ぶ組手形を特別に公開します。現在、研究科はコロナ問題により休止中です。伝統技の活用する組手形は、この数倍あります(80種以上)。速やかに伝統技を活用法を学ぶ「組手形」を制定し、伝統型の稽古と併行して行いたいと考えています。そして有段者の意識レベルの向上を図りたいと考えています。

(研究科の皆さん、協力ありがとうございます)

IBMA空手武道チャンネル/THE KUMITE-KATA  伝統技の活用

IBMA極真会館増田道場 TS方式組手法の講習会を実施!

 ↓下の写真について:講習会はマスク着用で行いましたが、写真撮影のため一瞬だけマスクを外しました。

 

〈注意〉

TS方式アルファは→「ヒッティング・ベーシック方式(スタイル)」とし、TS方式ベータは→ヒッティング・アドバンス方式(スタイル)に名称の変更をしました。

  極真会館増田道場の会員道場生の皆さんへ〜重要なお知らせ

  • デジタル空手武道通信では、常時コンテンツを修正、補充(アップロード)していきます。
  • すべてのページの閲覧には定期購読会員登録が必要です。
  • IBMA空手武道チャンネルには「自宅でできる空手武道レッスン」を掲載しています。参考にしてください。
  • 次の昇級審査は8月30日(日)です。申し込み受付中。
  • 昇段審査は日程の調整中です。
  • 昇級、昇段認定の評価方法と認定基準を改定しました。→段級審査の評価と認定基準について
  • IBMA極真会館の重要なお知らせは、メールでお知らせしています。会員道場生はメール登録をお願いします。
  • デジタル空手武道教本はIBMA極真会館の会員道場生向けの教本です。閲覧にはPWが必要です。一斉メールでお知らせしていますので、必ずメモしておいてください。もし、忘れた場合は、事務局までお問い合わせください

第 38号 編集後記 

2020年8月15日に思う  

 今年も8月15日の終戦記念日を迎えた(私は終戦記念日という呼び方に疑義があるのでできれば使いたくない)。未だ新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない。この先、どのくらいで収束するかもわからない(おそらく完全な感染の終息はないだろう)。大変な情況だが、戦時下の人達は、もっと過酷な情況だったに違いない。改めて先人に感謝したい。
 振り返れば、今年は心機一転、頑張るつもりであった。新年はその準備で追われていた。ところが2月の終わり頃からか、新型コロナウイルスの問題が耳に入ってきた。どうなることかと見守っていたが、あれよあれよという間に、小さな「火」が燃え広がるような状況になった。新型コロナウイルスの感染を「火」に例えるのは下手な例えかもしれない。だが、もし新型コロナウイルスへの感染を「火」とすれば、果たして完全な消火(感染拡大の抑止)はできるのだろうか。 結局は、火が大きくなったときの消化方法を確立し、かつ、一人ひとりが「防火」に気をつける他ないだろう、と私は思っている。問題は、気をつけていても自然発火的に「火」が起こり、そして大きくなる状況だろう。そのような状況にならないようにすること。また、そうなった時、消火をどのようにするかが問題である。現在は、異常に火の拡大を恐れているような情況だろう。しかしながら、一体、いつまで「火」を異常に怖れることが続くのだろうか。もちろん、新型コロナウイルスは怖れなければならないことは確かだ。しかし、安心、安全の確保の仕方がこのままで良いのだろうか。一刻も早いワクチンなど、効果的な対策を望んでいる。また、私自身としては、「火」に対する防御力を強化し、かつ、「火」に気をつけることが重要だと考えている。そして、「畏れ」「慎重」という原点に戻り、できることを継続して行くことしかない(私は慎重な性格ではないが…)。ここから先は医療関係者や政府、メデイアなど、知的発信力、そして権力のある人たちが啓蒙しなければならない。  
 さて、私は、1日も早い新型コロナ問題の収束を願っているが、同時に今できることを考える際に、今までできなかったことを選択肢に加えたい。今、これまで目標が明確だった人達(レール上にあった人達)は、不安な日々を送っているだろう。そんな中、懸命に頑張っているに違いない。おそらく、一般的な人達は本能的に現状維持を望む気持ちが強いと思う。先行き不安なときには、その性質が露呈する。当然、私も現状維持をしたい。だが、そもそも現状維持はできないと直感している私は、先に述べたように、これまでと違ったことに挑戦したいと考えている。もちろん、それを周りが望まないことは理解している。だが、私はこれまでのものを破壊するのではない。ただ、これまでと同じことが困難だとしたら、ひとまず保留しても良いと思っているのだ。その上で、異なるアプローチを試みるのも悪くないと思っている。いずれは、新型コロナ問題も収束するに違いない。その時、これまでと全く異なる世界が誕生するとまでは、私は考えてはいない。しかし、その時に一歩進んだ形で、伝統を引き継ぐことをイメージしている。ゆえに密かに行ってきた古典の研究、原点回帰の成果を速やかに表したい。その意義は、武道の源流を辿り、その形を取り戻すことである。その結果、その形が、より善い発展形であることを願っている。

 

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