[第52号:2021-9-1]
お知らせ
◎今回の 「第9回・月例試合の映像」の冒頭で増田は「三手決め稽古」について解説しています。この稽古法はヒッティング方式の組手を行う上で重要な稽古法です。是非、理解しておいてください。組手稽古の上達のためには必要です。
◎デジタル空手武道教本サイトの閲覧にはPWの入力が必要です(一部PWが不要のページもあります)。 IBMA極真会館増田道場の会員には、閲覧用のPWを伝えてあります。もし、忘れた場合は事務局までメールにてお問い合わせください。 ◎ご注意ください!!
- 9月中旬にデジタル空手武道教本のPWが変更になります。新しいPWはメールにてお知らせします。お気をつけください。
- 7月の審査から学科試験が実施されます。学科試験は、インターネットを使って回答できます。設問は大体、3〜5問ですが、上級者ほど、学科の成績を重視します。
- デジタル空手武道通信・53号は10月の予定です。
巻頭コラム〜第9回 月例試合を終えて
緊急事態宣言下、9回目の月例試合を終えた。今回は、コロナウィルス感染者の増加と猛暑の影響で参加者は少なかった。だが、昇段の組手実績を積みたい参加者もいることから、月例試合を実施した。もちろん、喚起、消毒、マスク着用、密集を避ける、など感染対策には万全を期した。
実は、ここ1週間、私は体調がすこぶる悪かった。猛暑による熱中症ではないかと疑ったぐらいである。リーダーである私がこんな状態では道場生に申し訳ないと思う。そして道場生の方々から元気をいただいていることに感謝したい。
さて、月例試合の結果だが、参加者は少しづつ顔面ありの組手法に慣れてきたようだ(今後が楽しみである)。だが、ヒッティングの目指すところは、極真空手の弱点を補完、補修することである。その弱点とは体力に頼りすぎるところだ、と言っても良い。断っておくが、極真空手の体力を追求する面は、極真空手の良いところでもある。それゆえに厄介なのだ。もう少し具体的に述べれば、現在の試合方法では、体力でなんとかなってしまう。それゆえ、攻防(攻撃技と防御技の運用)のスキル(技能)が発達しない。この点を改善しなければ、今後、極真空手の武術・格闘技としての価値は下降していくに違いない。そのため、私は新しい組手法・試合法を考案した。なぜなら、技術、技能の更なる向上は、試合方法を変えなければ困難だと思ったからだ。
しかしながら、ヒッティング方式の組手法は、力(スタミナやパワー)に任せて撃ち合うのではなく、機を捉え、より精度の高い打撃を行うこと。また高度な応じ合い(受け返し)の技能を養成することが目標としている。例えるならば、卓球のトップ選手のような、高度なラリー(応じあい)ができるようになることである。また、そこに至るための修練を行うことにより、極真空手を補完、補修して、さらに良いものとしていくのである。その意味では、まだまだの状況である。
今後、ヒッティング組手法が他の組手法と比較して、その違いが明らかになるラインまでにはもう少し実験(修練)の量が必要だろう。しかし、試合データが集められてきている。試合参加者には、試合データと映像により、試合結果を振り返りつつ課題を見つけ、その課題をクリヤーしてほしいと思っている。
その今回の試合データをみると、攻撃が顔面への突き技に偏っている。私の想定では、ヒッティング方式の組手では顔面突きに慣れてくれば、蹴り技も効果的となる。特に下段回し蹴りは有効なはずだ。さらに突き技と下段回し蹴りが使えるようになれば、上段の蹴り技も有効、かつ効果的な攻撃だと考えている。さらに言えば、今回の参加者の「技あり」のほとんどが顔面への突き技となっていたのは、参加選手の得意技が一致したというようことではないと思う。誤解を恐れずに述べれば、参加選手の蹴り技の技能が低いことと顔面突きの攻防スキルが不十分ゆえだと思う。今後、その点を検討し、かつ指導方法の修正と工夫をしたい。
第9回月例試合
第9回 月例試合の報告
- 対戦表と試合結果(PDF版)
- これまでの月例試合の記録はデジタル空手武道教本の資料ページ→月例試合の記録から
月例試合の映像
全試合映像
ワンポイントレッスン
その場移動の映像教本〜左自然体組手立ち・退き身・肘内受け×順上段直突き
- この稽古法は、組手技基本の稽古法ですが、体捌き(退き身)と防御技と攻撃技を組み合わせて使うための稽古法です。
- この稽古法は足使い(運足)が重要です。
その場移動の映像教本〜囮順上段直突き×退き身・肘内受け×順上段直突き
- この稽古法は、囮突きを打ってから、退き身で間合いを切り、さらに間髪を入れずに攻撃技を繰り出すための稽古法です。
- この稽古法は足使い(運足)が重要です。
上段直突きに対し「入り身・内ずらし身×上段直突き(合撃)」
以下は、組手型の一つです。防御技は「かわし受け」の1種である「内ずらし身受け」です。それに続く攻撃技は上段直突きですが、この組手型で学ぶ「応じ」の形は、防御と攻撃がほぼ同時に行われる合撃の形です。受け返しの形の応じ合いのなかで「機」が見えたら、使ってみるのも良いでしょう。
三手決め稽古法〜その1
ヒッティング方式の組手を行う際、この三手決め(三手目攻撃)を意識すると、組手がうまくできるようになります。
ヒッティングイメージ映像
極真会館増田道場修練項目概要図
- 極真会館増田道場修練体系図の改訂版です。
- 今後、デジタル空手武道教本は下記の修練項目概要図に合わせ、改訂、整理していきます。もうしばらくお待ちください。
- 護身術に関しては、極真会館増田道場護身術を制定します。
- 投げ技・倒し技の組手型は2022年以降に採用予定です(これまで一部の道場生のみ修練していました)。。
イベント予定・2021年9月
- 第10回月例試合:9月26日(日)→参加案内はこちらから
- 昇段講習会:9月5日(日)〜1:30開始
重要なお知らせ
- デジタル空手武道教本は、不定期にコンテンツを修正、補充(アップロード)していきます。道場稽古の予習、復習に活用してください。
- IBMA空手武道チャンネルには「自宅でできる空手武道レッスン」を掲載しています。参考にしてください。
- IBMA極真会館の重要なお知らせは、メールでお知らせしています。会員道場生はメール登録をお願いします。
- デジタル空手武道教本はIBMA極真会館の会員道場生向けの教本です。閲覧にはPWが必要です。一斉メールでお知らせしていますので、必ずメモしておいてください。もし、忘れた場合は、事務局までお問い合わせください。
- 極真会館増田道場生の皆さんへ〜年会費(半期分)を納入された方には1000円分のTSクーポンが発行されています。TSショップでの修練用具の購入にお使いください(TSクーポンの有効期限は発行日から1年間です︎/新規入会者は除く)→TSショップはこちら
- セキュリティー管理のため、デジタル空手武道教本の閲覧のためのPWは定期的に変更されます。連絡用メールアドレスを本部事務局までお知らください。登録のない方には道場からの連絡が届きません。
第52号 編集後記
現在、私はヒッティング方式組手法の教本を制作中である。これまで、難しいことを伝えることを遠慮していた。だが、今後はどんどん先に進みたい。なぜなら、全員ではないにせよ、一定数、ヒッティング方式の組手試合の経験者を確保できたからである。そして彼らをさらに上達させることを優先することが戦略的に良いことだと思っている。新しい組手方式に熟達した者が増えてくれば、皆、それに刺激を受けて、上達すると思うからだ。補足を加えれば、本来、やる気があれば、また自らが上達のイメージさえあれば、あとは上達は時間の問題だと思う。
問題はヒッティング方式の組手法の有用性とその上達のイメージを描かせることができるかどうかである。換言すれば、どんな組手が良いのか、どんな戦い方が良いのか、というイメージを描けるようにすることが肝心だということである。
断っておくが、ヒッティング方式の組手は、伝統的な寸止め方式の組手法からも技術を取り入れてはいるものの、その戦い方は、基本的に異なる。あえて言えば、MMAの戦い方から組技を無くした戦い方に近い。ゆえにフック(カギ突き)やローキック(下段回し蹴り)が認められている。本来は、極真空手を行っている人は順応しやすいはずだ。だが、ここ30年あまりの極真空手の組手戦術があまりに接近戦になりすぎて、間合いの調節、前後のフットワークが無くなった。そのことによる弊害があると思っている。だが、草創期から発展期にかけての極真空手は、蹴り技が発展した。その技術はまだ有効だ。その技術を活かしつつ、不十分な間合いの調節能力、動きの中で突き技を正確に当てる能力を発達させれば、まだ極真空手は発展する。だが、そのことに気が付かないならば、発展の可能性は低い。はっきり言って、衰退するに違いない。
私は極真空手方式とヒッティング方式の2つの組手法を両立させたいと思っている。そして私は空手の可能性に挑戦し、新たな地平を開拓したいと考えている。まだ新たな地に至る地図は完成していないが、必ず残しておきたい。
バックナンバーはこちらから
デジタル空手武道通信のバックナンバー(デジタル空手武道教本)