[第62号:2022-8-8]

 
もうすぐお盆休みとなりますが
毎日、少しでも体を動かすことが大事だと思います。
また、この機会にデジタル空手武道教本を紐解き
理論的なことも習得するようにしてください。
 
極真会館増田道場は高い理想を追求しています。
しかしながら、理念・理論(考え方)を理解していなければ
その理想を具現化することはできません。
 
また理想の具現化には稽古の継続が必要です。
 
 
 
◎デジタル空手武道通信は極真会館増田道場生向けにイベント案内や報告 また修練サイトの更新情報などをお伝えしています。      また、増田 章師範の考え方を発信する媒体です。
 
 
 
 

号の内容

  • 巻頭コラム:拓心武道論〜拓心武術の目指す能力開発
  • 特集1:第14回 月例試合
  • 特集2:62歳・壮年部 対15歳・高校生部の試合 
  • デジタル空手武道教本・更新ページ、他のお知らせ
  • 段位認定・学科試験問題2022年6月版
  • 今後のイベント予定
  • デジタル空手武道教本の更新案内
  • 第62号・編集後記 

 ◎デジタル空手武道教本サイトの閲覧にはPWの入力が必要です(一部PWが不要のページもあります)。 IBMA極真会館増田道場の会員には、閲覧用のPWを伝えてあります。もし、忘れた場合は事務局までメールにてお問い合わせください。 ◎デジタル空手武道通信の映像はインターネツトへの接続環境のあるところで閲覧することをお勧めします。 ◎1月中旬にデジタル空手武道教本のPWが変更になりました。

巻頭コラム:拓心武道論〜拓心武術の目指す能力開発

●以下のコラムはアメブロでも閲覧できます

→https://ameblo.jp/masuda-blog

                       

増田 章の著作(拓心武道)

       

拓心武道論〜拓心武術の目指す能力開発

【TS方式の組手法は野球選手ならばすぐに上達する?】

 実は、私には仮説がある。TS方式の組手法は野球選手ならばすぐに上達する、ということだ。なぜなら、野球選手は「相手の投げるボールを予測し、かつ、そのボールにより正確に反応する能力」が発達していると思う。それがボールをバットで打つ行為であり、グローブで受ける行為だろう。その能力、行為には、動体視力や反射神経の働きも含まれる。
 そして、野球選手は「より正確な反応(バッティングの場合)」、言い換えれば、ボールを打つために「素振り」「トスバッティング」「ティーバッティング」「フリーバッティング」「シートバッティング」などの練習を行う。また、ボールを投げ、受けるために「キャッチボール」を行う。
そのような練習により、野球選手は、ボールやバット、グローブという道具と自己の身体の動きを調整し協調させ、巧みに活用する能力が発達する。
 私は、野球のようなスポーツを行う際に必要な「相手の投げるボールを予測し、かつ、そのボールにより正確に反応する能力」があれば、拓心武術はすぐに上達すると考えている。もし、それが実現しないとしたら、それは正確な技術の原理と身体を動かす原理を理解していないところに問題がある。私は、真の上達とは原理の理解と体得にあると思っている。
 また、サッカーやバスケットボールの選手も野球選手同様の能力が開拓されているに違いない。なぜなら、サッカーにおいても「相手の投げるボールを予測し、かつ、そのボールにより正確に反応する能力」が発達する。また、ボールという道具と自己の身体を調整し協調させ活用する能力を基盤としていると思うからだ。だだ、もうひとつ重要な能力は、サッカーやバスケットボールはデフェンスとオフェンスが空間を共有しているので、相手選手やボールの位置の変化に対する理解と予測、それによりよく反応する能力が必要である。この能力の有無がTS方式の組手法に生きる。
 それを裏付けることとして、先日の月例試合において、高校生の阿部大和君が組手に上達を見せた。相手は中学生の阿部君だったが、阿部君も組手が上手い。だが、勝敗を分けたのは、蹴り技の使い方に阿部大和君の方が長けていたのと相手との間合いの取り方が阿部大和君の方が長けていた。後で、指導員に聞くと阿部大和君は部活でバスケットボールをやっていて、練習(バスケットの)に相手の動きへの対応という要素が多くあるからではないかという。そう見る指導員は、子供の頃バスケットボールをやっていたらしい。経験があるからこその視点である。だが、それを聞いて、私は閃いた。
「なるほど、バスケットボールもサッカーも相手の位置とそこから出されるであろうボールを予測し、それに対応しなければならない」「その能力は格闘技に必要な能力と同様のものだ」

〈コラムの続きはこちらでお読みください〉

 

 

↓第14回 月例試合の参加者と共に

   

 

特集1:第14回 月例試合の動画(全試合)

 

特集2:62歳・壮年部 VS15歳・高校生部の試合

 

デジタル空手武道教本、更新ページ、他のお知らせ

上段直突きに対し「退きそり身受け×上段直突き」〜退きそり身受けの活用・その1

上段直突きに対し「退きそり身受け×順上段カギ突き×逆下段回し蹴り」(連係技)〜退きそり身受けの活用・その3

拓心武術入門・運足法

段位認定・学科試験問題

昇級審査の学科試験に一つ設問を加えた試験問題です。有段者は全問正解できなければ、知識不足だと認識してくだい。知識と技能はイコールではありませんが相関関係はあります。少なくとも黒帯を占める資格としては必須の要素です。 現有段者も学科試験に挑戦してください。解答は、6月27日から30日まで、PWを入力すれば閲覧できます。 ◎解答時間の目安は20分です。

 

今後のイベント予定

  • 8月7日(日曜)   限定審査(白~青帯)
  • 8月28日(日曜) 第16回・月例試合
  • 9月11日(日曜) 昇段審査
  • 9月25日(日曜) 17回月例試合
  • 10月2日(日曜) 昇級審査

◎各位イベントは止むを得ず中止、または延期となることもあります。あらかじめご了承ください。また、特別に追加するイベントもあります。  

重要なお知らせ

  • デジタル空手武道教本は、不定期にコンテンツを修正、補充(アップロード)していきます。道場稽古の予習、復習に活用してください。
  • IBMA空手武道チャンネルには「自宅でできる空手武道レッスン」を掲載しています。参考にしてください。
  • IBMA極真会館の重要なお知らせは、メールでお知らせしています。会員道場生はメール登録をお願いします。
  • デジタル空手武道教本はIBMA極真会館の会員道場生向けの教本です。閲覧にはPWが必要です。一斉メールでお知らせしていますので、必ずメモしておいてください。もし、忘れた場合は、事務局までお問い合わせください
  • 極真会館増田道場生の皆さんへ〜年会費(半期分)を納入された方には1000円分のTSクーポンが発行されています。TSショップでの修練用具の購入にお使いください(TSクーポンの有効期限は発行日から1年間です︎/新規入会者は除く)→TSショップはこちら
  • セキュリティー管理のため、デジタル空手武道教本の閲覧のためのPWは定期的に変更されます。連絡用メールアドレスを本部事務局までお知らください。登録のない方には道場からの連絡が届きません。

 

第62号 編集後記

 【第14回 月例試合】


 外気温40度近くの中、第14回月例試合を実施した。真夏にもかかわらず、多くの人が参加した。
これまでは、参加者の会員種別(少年、中学、高校、大学、青年、壮年、女子)や学年で対戦相手を分けていたが、試合経験のある人の一部に対し、特別の対戦を組んだ。その一つが壮年部対高校生の対戦だった。年齢で言えば62歳対16歳。62歳対15歳である。

 結果は、1試合は62歳の壮年が勝ち、もう1試合は高校生が勝った。この壮年部の組手技能の成長は着実である。62歳というのに、組手技能が上達している。また足使い(フットワーク)や技のスピード、精度も向上しているように見受けられた。このことは、個人的な差異、特別なことかもしれない。だが、私はそう考えていない。

 我田引水かもしれないが、私はこの結果をTS方式の組手法に組み込まれた、防御技術、そして攻防のための応じ技の体系化とその技術を判定する仕組みの成果だと思っている。また、TS方式の組手法の基盤となっている防御技術と応じ技の技術の習得に努め、戦術理論を理解すれば、組手技能はさらに向上すると思っている。

 もちろん、個々人の体力によるところもあるだろう。それでも、打たれ強さや破壊力を競うことが主眼とする試合法ではないので、足使い(フットワーク)を支える体力、正確に突き蹴りを繰り出すための足腰、体幹の強化を行えば、必要な体力の基盤は出来上がる。また、その他の体力も組手修練を行うことで自ずから向上するだろう。

 問題は、指導員の技量とTS方式を行う愛好者の人数が必要である。なぜなら、技術を磨き、向上させるには、理念とルールを共有する同士(仲間)が必要だからである。私は自分が考案した修練方法により、技能のみならず体力が向上し、かつ自己が成長したと感じる人達が増えることを願っている。

【感想戦】


 兎にも角にも、今回の月例試合では、防具を使用し打撃技を当てる技術を競うので、ある程度の防御力や攻防の技能(応じ力)を体得した者どうしなら、年齢差があっても試合ができるというデータを得られた。

 時間があれば、初期の頃の組手と現在の組手を比較できるような動画を作成したいが、まずは参加者各自が試合動画を見て、自己の試合の内容を振り返るのみならず、過去の組手と現在の組手を比較してもらいたい。そのようなことを将棋界の方法を取り入れ、拓心武術修練では「感想戦」という。是非、感想戦を行なって欲しい。


 最後に、組手稽古を続け、試合経験を積む者は、試合当日も述べたが、まだまだ上達するだろう。そして、もう少し上達すれば、この組手法を行なっていない人との差が歴然としてくる。そうなれば、私が企図したことが具現化する。同時に組手試合では、私にも勝るものが出てくるに違いない。特に若い年齢の者の中から、そのような者が出てくると思う。

 もちろん、私は負けたくないが、それは自然なことであり、かつ良いことである。私は試合の勝ち負けより、拓心武術の完成を目指し、あらゆる角度から武術を考え、それを活かしつつ自己の感性と思想を深め、かつ高めていく。それが私の得たい価値であり、生き方である。現象としての身体の衰えは、悟りと気づきのための扉だと思って進んでいく。