[第58号:2022-3-5]

 
 
コロナ・オミクロン株の感染拡大が収束していません。
感染拡大を防ぐため
マスクの着用、手洗い、消毒に気をつけましょう。
また免疫力の維持や冷えに注意し
健康管理に努めましょう!!
 
 
本道場は換気に気をつけ、感染を防ぐ効果のある防具組手を推奨しています。
 
 
 
 
 
 
 

号の内容

 

 ◎デジタル空手武道教本サイトの閲覧にはPWの入力が必要です(一部PWが不要のページもあります)。 IBMA極真会館増田道場の会員には、閲覧用のPWを伝えてあります。もし、忘れた場合は事務局までメールにてお問い合わせください。 ◎デジタル空手武道通信の映像はインターネツトへの接続環境のあるところで閲覧することをお勧めします。  

  • 巻頭コラム:老いて身体能力が衰えるからこそ〜道心を求める
  • 昇級審査会の結果発表(2022年2月20日)
  • デジタル空手武道教本更新のお知らせ〜「逆構えに対する組手型」のページを追加更新しました。
  • 組手修錬会の参加者募集(2022年3月20日)
  • 特集〜整身
  • 編集後記 第58号

  ◎1月中旬にデジタル空手武道教本のPWが変更になりました。

昇級審査の受審者の方へ(昇級審査の結果発表)

合格者の方は結果に安心せず、次回の審査に備えてください。不合格の方も次回は合格できると思いますので、しつかりと修正点を理解してください。修正点は教本を参考にしたり、指導員の教示を受けてください。問題は詳細な点をいかに理解するかです。

なお、審査結果はデジタル空手武道教本のページを参照ください。保留者者については事務局へお問い合わせください。

 

イベント案内

  • 3月の月例試合はございません
  • 3月20日:組手修練会
組手修練会のお知らせ

 

 2月27日に行われた修練会では、拓心武道メソッドにおける約束組手の仕方の説明と稽古をしました。また、逆構えの状況における戦術(応じ)の稽古を行いました。次回は、さらに三手決め戦術、入り身による応じ技、などの稽古を行いたいと思います。ただし、退き身の足使いができない人が多い場合は入り身の稽古を行わないかもしれません。まずは、足使い(運足法)と位置取りと間合いの理法を習得してください。

 

日時:2022年3月20日(日曜)
会場:多摩市立武道館
対象:小学3年生以上で面防具をつけて組手稽古を行っている者

稽古開始:12時50分
稽古終了:15時15分 /12時30分から会場へ入れます 。稽古開始前に各自準備体操を済ませてください。

内容:組手、約束組手、組手型
指導:増田 章
補佐:秋吉栄史郎
定員:40名
見学:可 
持ち物:空手着、防具類
参加費:2,000円

申込はこちら

有段者・指導員の方々へ

 コロナパンデミックの中、指導員の皆さんとは会う機会が減りました。その代わり、デジタルサイトの内容を充実させています。同時に空手武道理論と修練方法が、大幅に刷新することができました。あとは、それを伝えるだけであと思っています。教本もまだまだ完成には至っていませんが。それは完成形が途方もなく詳細、かつ深く、膨大だからです。変な例えですが、スペインのサグラダ・ファミリアのようなものです。

 まずは、拓心武術の組手法を理解してください。厳しいようですが、みなさん、まだまだ極真会館増田道場が目指す武道レベルには達していません。まず、基本組手技の習得レベルが低いです。その意味は身体の使い方ができていないということです。おそらく稽古量が足りないのでしょう。また、拓心武術には明確な理念(哲学)、そして目的、目標があります。その内容を示した電子書籍を近日中に発刊します。それを読めば、増田が何を考え何を目指しているかが理解できると思います。書籍のタイトルは「拓心武道論〜道心を求めて』の予定です。

 依然としてコロナ等の問題がありますが、デジタル空手武道教本で自習できるようにしていきます。

巻頭コラム:老いて身体能力が衰えるからこそ

                     

 

 

 

 

以下の内容は「拓心武道論〜生涯の武道を求めて」という拓心武術の考え方をまとめた電子書籍(Kindle)の内容の一部です。

拓心武道論〜生涯の武道を求めて

  • 序文
  • 第1章 自己の心身を最も善く活かす道の追求
  • 第2章 お金を出しても買えないもの
  • 第3章 「制心」「制機」「制力」
  • 第4章 高齢化社会への貢献
  • 第5章 拓心武術の効用と既存の武道の問題点
  • 第6章 老いて身体が衰えるからこそ〜道心

  • 第7章 読み取り力
  • 第8章 拓心武術の修練の先には
  • 第9章 生涯の武道を求めて
  • 跋文
  • 著者紹介

第6章 老いて身体が衰えるからこそ〜道心

  勝負哲学の見直し。そのことも拓心武術の修練目的に含まれる。第二章において、「拓心武術における勝利とは、「制心」「制機」「制力」の3要素が一体化した「動き・技」の実現である」と述べた。つまり、拓心武道の修練における「勝利」とは相手に勝つことではないということである。繰り返すが、拓心武術の修練における「勝利」とは、自己の心と身体を最大に活かした時なのである。故に、たとえ試合修練において一時的に勝者を決めたとしても、そのことに最大の価値を与えない。例えば「競技のルールの中で勝者となること=勝利・勝者」という図式で勝利や勝者を判断しないということだ。
 
 多くの競技は身体のスピードや力を相対的に比較しているだけである。そのような競技は身体の能力が衰える老齢者が行っても無駄だ。なぜなら「伸びしろ」がないからだ。しかしながら拓心武道の修練における、「心と身体を活かすこと」を目標にするなら、壮年や高齢者ほど伸び代があると言っても過言ではない。その意味は、老いて身体(身体機能)が衰えるからこそ、心と身体のより良い活用方法の必要性を理解できるからだ。言い換えれば、「心(脳)と身体を最も活かす道の追求」という目標には「老い」が最高の教師なのだ。その核心は「変化を知る」ということである。その変化の中で自他を活かし続けるための叡智が道の力である。その道の力こそが変化の中でも変わらないものかもしれない。そして、その道(理法)の力を求める意識が道心(自他を活かす道を求める心)である。
 
 さらに言えば、身体の痛みや障害は、最強のコーチであると思っている。そのコーチの存在をほとんどの人が気づかない。だが、そのコーチの声を聞きながら、心と身体の限界を少しずつ越えることができれば、自己の能力はより向上する。
 拓心武術の意義、そして拓心武道の目的は壮年や高齢者にこそ理解できる道だと思っている。問題は、打撃系武術・武道が老いた身体には適さないと考えられていることだ。そしてスピードや筋力に依存した技、能力の追求を掲げた修練法が定着していることである。

 私は相手と組み合う武術の修練は、力と技を活かす「制力」の修練として、より有効だと思っている。一方、相手と離れ、攻撃を読み合う打撃系武術は、目付けを重視した読み合いを活かす「制機」の修練として、より有効だと思っている。だが、究極的にはどのような武術であっても、自我を抑制し、心をより善く活かすという「制心」を必要とするはずである。そして、目標を「制心」「制機」「制力」に定めること。そして本論でいう本当の勝利を目指すならば、老いて衰えた身体を活かす修練となるに違いない。また、心(脳)と身体の回路の機能維持に役立つ効用があると思っている。ただし、その効用を得るためにも、本論で述べた、拓心武術の武道論(哲学)を基盤とする必要がある。補足すれば、拓心武術の修練を老齢者が行う際は、基本技の精度をより高めること。そして組手型を何度も繰り返し、かつ約束組手(拓心武術独自の稽古法)を丁寧に繰り返すことである。さらに組手を行う際、スピードに頼らず、また目先の勝負にとらわれることなく組手修練を行わなければなければならない。そして組手の裏側にある、より善い戦いの理法(戦術原則)を明確に読み取れるように意識することが重要だ。
 
 その読み取りの意識が武道を青少年のみならず、七〇歳を超える高齢者にも可能なものにすると考えている。そのような考えで考案したのが拓心武術・修練法である。その修練には、ある程度の筋力が必要なことは言うまでもないが、筋力が必要なのは青少年のみならず高齢者も同じである。むしろ、身体機能が衰える壮年と高齢者にこそ、意識しなければならないことだろう。あえて言えば、拓心武術を始めるには、20〜30分歩行する体力があれば十分である。そして心と身体の回路を繋ぐ機能や他の身体機能の活性化には歩行よりは強度はあるかも知れないが、短時間で効用があると思う(私は障害があるので、通常は20分も歩行しない)。もちろん高齢者と青少年や壮年の人達の修練の始め方(基本習得の方法)には異なる部分がある(より良い方法が別にある)。
 
 だが、拓心武術の修練の核は防具によって安全性を確保した組手法である。そして相対的な強さではない「制心」「制機」「制力」という理法の会得を目標とする。そのような組手修練は、若齢者のみならず高齢者まで、一貫した目標を共有することができる。また、一緒に実施可能な修練法でもある。さらに、一部の専門家しか為し得なかった武術的な「読み取り力」の向上・会得の道を多くの人に開く修練方法と言っても良い。

◎増田 章 特別メッセージ

 

デジタル空手武道教本の更新情報(リンク)

参考動画

回し受けの応用 上段直突きに対し 背後取り
逆構え組手型 応用形3種 上段直突きに対し〜今後、教本ページでは解説等も追加します。

 

◎昇級審査を受審する人、必見!

◎昇級昇段には必修組手型の習得が必要です。また、組手に上手くなりたい人は、先ず以って組手型の習得をしてください

 

特集

修錬用語を追加しました。組手修練で重要な概念です。理解してください。

整身(せいしん)

 拓心武術の基本組手技の突きは拳を突くと同時に拳をすぐに元の位置に戻すことを基本としている。拳で突きを作ったあと直ぐに拳を元の位置に戻すのは、一つは突きを作った後に隙を作らないためである。突いた後、相手が同時に放った技が隙に到達するかもしれない。また、組手修練では相手は一人だが、拓心武術は複数の相手との攻防も想定している。ゆえに、自己の身構えをすぐにより中立的な状態に心身を戻し、整える必要があると教える。

 さらに言えば、組手修練では、連撃を4連打までとしているが、それは5連打を行えないということではない。拓心武術は、身体的な持久力と技があれば、相手を殲滅するまで、攻撃を連続する準備を想定する。しかしながら、拓心武術の連撃とは、一撃ごとに体勢を崩すことなく、次の攻撃を繰り出せる状態を維持することである。つまり、一か八かの如く、技を乱暴に用うこと。相手をノックアウトすれば良し。という攻撃は良くない攻撃法だとする。一撃と一撃の間が惰性ではなく、瞬間瞬間において、最善の間合い、攻防を選択できるよう、日頃から意識するのである。それは4連打を行う際も同様である。

 先述した一か八かでも相手をノックアウトすればよし、というような打撃は、拓心武術の理念とは異なる価値に基づいて行う行為である。拓心武術の理念は、天地自然の理法を知ること。自他一体の道を追求することを目指している。
 故に組手修練では、「制心」「制機」「制力」を絶えず念頭に、相手を傷つけることを極力避けるように技の威力を制御(コントロール)して用いる。また、それができる心と身体を創らなけれなならない。

 補足を加えれば、「整身」とは技が決まったことをアピールする間違った「残心」の所作・概念とも異なる。「整身」とは残心の概念同様、拓心武術の修練において、意識し実践する戦いの原則でもある。

 

重要なお知らせ

  • デジタル空手武道教本は、不定期にコンテンツを修正、補充(アップロード)していきます。道場稽古の予習、復習に活用してください。
  • IBMA空手武道チャンネルには「自宅でできる空手武道レッスン」を掲載しています。参考にしてください。
  • IBMA極真会館の重要なお知らせは、メールでお知らせしています。会員道場生はメール登録をお願いします。
  • デジタル空手武道教本はIBMA極真会館の会員道場生向けの教本です。閲覧にはPWが必要です。一斉メールでお知らせしていますので、必ずメモしておいてください。もし、忘れた場合は、事務局までお問い合わせください
  • 極真会館増田道場生の皆さんへ〜年会費(半期分)を納入された方には1000円分のTSクーポンが発行されています。TSショップでの修練用具の購入にお使いください(TSクーポンの有効期限は発行日から1年間です︎/新規入会者は除く)→TSショップはこちら
  • セキュリティー管理のため、デジタル空手武道教本の閲覧のためのPWは定期的に変更されます。連絡用メールアドレスを本部事務局までお知らください。登録のない方には道場からの連絡が届きません。

 
 

第58号 編集後記

   1ヶ月近く、帯状疱疹によって背中と腰部の右側に痛みがあった。だが、日常的に膝と腰の痛みがある私には痛みがウィルスによる痛みだとはわからなかった。帯状疱疹がひどくなって初めて医者に診てもらった。時に眠れないほど痛かったが、眠剤を使えば眠れた。 その帯状疱疹もようやく落ち着いてきたようだ。だが、身体の痛みは日常的にある。4年前は「私の身体ももう使い物にならなくなるのか」と思った。正直、毎日が憂鬱だった。だが、私はその痛みをコーチだと思うことにした。つまり、痛みは身体の使い方を研究しろというコーチだと考えるようにした。そうすると、空手や稽古に対する考え方も変わった。

  ただ、時々「身体が元に戻ったら、さらに高いレベルの組手ができるのに」とか「もう一度走ってみたい」という衝動に駆られることがあった。だが、現実は身体が元に戻ることはなかった。そして、まだ走ることはできない。そんな時、現実との思いとのギャップで大変なストレスを受けた。おそらく、 私の膝も腰も身体も若い時の状態には戻らないだろう。

 しかしながら、細くなった右足が、少しずつ太くなってきた。腰椎ヘルニアによる神経障害はまだ残っている。だが、障害によって筋肉の名称や働きのことがわかってきた。現在は身体のコアを意識した稽古を独自に行っている。そのような稽古法を編み出した。その稽古法により、4年前は、歩くこともままならなかったが、今は少しぐらいなら走ることもできる(ダメージが残るが)。

 もしかするとあと4〜5年、努力を続ければ、走れるようになるかもしれないと思っている。 同時に走れなくても戦える身体と技を創ることができるかもしれないと思っている。そして、その過程を修練方法としてまとめ上げれば、後進の参考になるとも思っている。

 最後に私の人生も60年を迎える。その間、実にさまざまな経験をした。その経験の中にいつもあったのは社会における理不尽さと同時に人の気持ちの有り難さだった。その理不尽さは、私の心に傷となって消えない。だが人の気持ちのありがたさも消えない。人の気持ちは移ろいやすく、時に裏切られたとも思うこともあったが、そんな気持ちはどうでも良い。ただただ、理不尽な世の中と人の気持ちの有り難さ、そんな相反することを経験した人生だった。今、人の気持ちの有り難さだけを思い出す。そんな人生60年の内、50年近くは、空手や武道の哲学と関わってきた。

 実は体調不良やコロナによる社会状況により、私のメンタルも疲弊し、不安に苛まれていた。だが、そのお陰で自己の根っこの部分を彷徨っていた。そして根っこの部分を辿ったおかげで、私の武道論(武道哲学)をまとめることができた。

 私はその哲学の普及に残りの人生を使いたい。その行動は最後の旅とも言えるかもしれない。もしかすると、孤独な旅になるかもしれない。だが、私が長年求めてきたこと、意味が少しだけ納得できるようになってきている。その考えをまとめたものが「拓心武道論〜道心を求めて」である。電子書籍で出版する。

 非常に短い冊子であり、安価な書籍であるが、もし読んでみたいという人がいたら読んでほしい。実は買う人などいないかもしれないと思っている。しかし、いつの日か優れた空手家が出てきた時、初めて私の考えが理解されるに違いない。

 それなら、それで良いと思っている。今私は、さらに老骨に鞭打ちながら、道を究めたいと思っている。故に無理に理解を求めたりなどはしないつもりだ。

 最後に、私が武道哲学を書き終えた時、ロシアがウクライナ侵攻を行った。その暴挙を目の当たりにし、より一層、新しい武道哲学を残したいと思った。同時に我が武道哲学を見直している。

(増田 章)

 

 蛇足ながら、我が道場生には、戦争について、かつ人間について、この機会を活かして深く考え欲しい。そのための推薦図書として「戦争は女の顔をしていない」(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ)を紹介しておく 。

 

 

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